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2009/01/21 (Wed) 見知らぬ場所(著:ジュンパ・ラヒリ 翻訳:小川高義)

もう一丁ジュンパ・ラヒリ。これは比較的最近刊行された。インドとアメリカのうち、だんだんとインドの比重が軽くなってきている。インド出身でアメリカに渡った家族がインドのことを思いながらも、もうインドにはあまり里帰りはしなくなってきているような話が多い。それからジュンパ・ラヒリ自身に子どもが生まれたことも影響しているのか、そういった面での物語的な幅広さが出ている気がする。
第1部と第2部に分かれており、第1部は普通の短編、第2部は連作短編となっている。その連作短編のうちの1つ「一生に一度」が『考える人』の2007年春号に掲載されていて、それは読んでいたのだが、本書を読んだ時には内容をすっかり忘れていた。本書を読み終えた後に、『考える人』に掲載された「一生に一度」をサラッと読み返してみた。独立した短編としても十分成立しているが、連作短編の1つだと考えるとまた別の妙味が浮かび上がる。翻訳者の小川高義氏も、当時は連作短編の1つになるとは思っていなかったので、後でそうと知った時には翻訳の仕方があれでよかったのかどうかと冷や汗をかいたそうだ(結果的には大丈夫だったようだが)。

以下は読んだ時の感想。



もう、ため息が出るほど巧い。

読み終わってよくよく振り返るとハッピーエンドの話はなく、どちらかというと辛いエンディングが多い。でも読んでいる時はそれほど辛くは感じない。話の中には紆余曲折があって、単に辛いだけの話というものはないからだ。

人生の断片をこれほど鮮やかに切り取れる作家もそうそういないだろう。ジュンパ・ラヒリは確実に進化している。素晴らしい短篇集だ。 (2008/12/24)




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