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2009/02/27 (Fri) 春樹をめぐる冒険― A Wild Haruki Chase(その2)

前回からの続き。いよいよ実際の講演へ。




基調講演
リチャード・パワーズ(作家、米国)
「ハルキ・ムラカミ-世界共有-自己鏡像化-地下活用-ニューロサイエンス流-魂 シェアリング計画」
案内人:柴田元幸(東京大学教授)
コメンテーター:梁 秉鈞(香港)



冒頭で柴田元幸がカフカ賞のことに触れて、そこで拍手があった(村上春樹がフランツ・カフカ賞を受賞したのだ)。リチャード・パワーズの基調講演は難しすぎた。なんで、ニューロ・サイエンス(脳神経科学)が出てくるんだろう。リチャード・パワーズはあらかじめ作成した原稿を読み上げている。同時通訳も同時通訳するのではなく、おそらくはあらかじめ翻訳したものを読み上げているだけだ。それなら同時通訳するのではなく、英和対訳になった原稿を最初からみんなに配ればいいじゃないかと思ったのだが、そうしなかった理由は最後に分かった。
質疑応答の時にドイツ人の翻訳家がパワーズに対して質問した。「あなたが使った "Murakamiesque" はあなたの造語ですか? "kafkaesque" は有名だけど、"Murakamiesque" は聞いたことがない」これに対して、パワーズは、"Murakamiesque" という言葉は何かで見たと答えていた。そしてひょっとして早いうちに特許を取った方がいいかな、なんて冗談も言っていた。ちなみに "Murakamiesque" をGoogleで検索すると75件のヒットがあった。これから村上春樹が世界的に有名になるにつれて、"Murakamiesque" という言葉ももっと使われるようになるかもしれない。(ちなみに、2009/2/27現在では102,000件になっている。)

パネル・ディスカッション
翻訳者が語る、村上春樹の魅力とそれぞれの読まれ方
案内人:藤井省三(東京大学教授)
パネリスト:Corinne Atlan(フランス)、金 春美(韓国)、Dmitry Kovalenin(ロシア)、頼 明珠(台湾)、Jay Rubin(米国)


とりあえず最初に一人5分くらいずつ話してくださいと案内人が言うのだが、最初の人から既に時間をオーバーし、放っておけば最後まで一人でしゃべってしまいそうな勢いである。その後もみんなの話が長くなりがちなので、案内人はかなり苦労していた。印象に残った発言をいくつか拾ってみる。
金 春美:翻訳するときには原文のリズムを大切にしたいので、まず原文を音読した物を録音して、それを聴きながら翻訳している。
頼 明珠:カタカナ語を中国語に翻訳するのは難しい。特に人名がカタカナの場合(多いね。村上春樹は)、勝手に漢字を当てるわけにもいかない。
Corinne Atlan:フランス語の一人称代名詞は一種類しかないので、「僕」「私」「俺」を訳し分けることができずに悩んだ。
Dmitry Kovalenin:『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』の「やみくろ」をどう訳すか悩んだ。村上春樹本人に会ったときに「"ワンダーランド" というのはルイス・キャロルの "Alice in Wonderland" に通ずるものがあると思うので、アリスに出てくるキャラクターをもじった名前にするのはどうでしょう?」と訊いたら、「いいんじゃないの。トライしてみて」と言われた。そこで、「闇」とか「黒」に関係のない名前に翻訳することにした。
Jay Rubin:私の場合は、カタカナ語を翻訳するのが一番楽だった(笑)。翻訳自体は比較的スラスラできるのだが、原文の持つ「独特のバタ臭さ」が再現できずに苦労した。

ここで休憩20分。人や機材が多いからか、教室内は結構暑いので、ちょっと遠いけど生協まで行って飲み物を買ってきた。

(続く)

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村上春樹が翻訳家でもあることは最近知りました。
本も出されているみたいですね。
遅ればせながら近々読みたいと思います。

2009/04/01 13:36 | haruzuki [ 編集 ]


Re: タイトルなし

是非読んでみて下さい。

2009/04/01 13:46 | kanekatu [ 編集 ]


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